2016年9月21日

鏡に映るわれを見るわれを見る月は離れる

旅先で体調を崩すことが自分には少なからずあった。中学生のときの修学旅行でもそうだった。よりによって京都での班別自由行動の日に気分が悪くなってしまった。班長としてしっかり計画通り動かなければ、と一人で気負っていた報いだったのか。宿で先生の部屋に寝ているように言われて行ってみると、普段は怖い印象のあった生活指導の先生が疲れ切った顔で布団の中でひとり横になっていた。目が合うと先生はいかつい顔のまま苦笑した。