2017年9月26日

夢見ざりしバイオカモメよ城を攻む

●光は埃に還る●

ジョエル・マイロウィッツはニュー・カラーの写真家。極めて平明な風景が、かすかに乳色がかった光に包まれて、静かに​そこにある
作品を撮ります。

彼の​作品
にうつる光は、うっすらと積もった埃のような、たゆたう時間の皮膜のような、とても遠い感覚を起こさせるものです。

昔、ルイジ・ギッリがモランディのアトリエを撮影していましたけれど、最近マイロウィッツもモランディのアトリエの写真集を出したのを知って、そうよね、彼がモランディ好きじゃないはずないわよね、と思うことしきり。永遠性を画面に呼び込むために、不透明性を湛える光の質感を探究した点は両者に共通するところです。

写真は彼の著書『Seeing things : a kid’s guide to looking at photographs』。そのタイトルに反して​、​
大人用の本(但し子供の心をもった)です​。

参考 : joel meyerowitz cape light はこちら