月がきれい人それぞれに詩があって
第十回俳句甲子園の入退場の際に使われていた曲。当時のぼくは高校二年生だった。
クロールのひとかき僕の背が伸びる 森井善夫
クロールの左手を抜く速さかな 上田拓史
準々決勝で甲南高校は宇和島東高校と対戦した。そのときの会場の雰囲気は異様なものだった。というのも、準々決勝に駒を進めた愛媛県勢は宇和島東だけであり、地元を応援しようとする観戦がすごかったからだ。先鋒戦は5-0で甲南の勝利。
さんずいを大きくはねて泳ぎけり 西野洋平
青空や見様見真似の平泳ぎ 岡田苑子
とりあえず二年目の夏は思いっきりしゃべった。「~の感じ」といったような主に自身の感覚に頼るようなディベート戦を展開し、鑑賞点は結構つらかったような気がする。あれから数年経ったが、未だに非論理的である。次鋒戦は3-2で甲南の勝利。
杜甫の絶句少年の平泳ぎ 山中慎司
磯の声届かぬところまで泳ぐ 宇都宮渉
準決勝をかけた一戦。会場の熱気がすごい中、杜甫の絶句を悠々と読みあげ、完全に場違いな空気を醸しだした対戦。相手の勢いがつけないぐらいには踏ん張った。中堅戦は0-5で宇和島東の勝利。
八月の泳ぎ続ける硫黄島 越智友亮
競泳の背の黒々と並びけり 小野弾
ぼくたちは副将戦にいつも勝負をかける。というのも、大将戦に勝負を託すための大事な試合になるからだ。塩見恵介先生に「この句は試合の流れをきっと変えることができる」と言われたので、顧問やメンバーの反対を押し切って、副将戦に据えたのだけど、完敗。審査員の旗が上がった瞬間、思わず笑ってしまった。でも、中堅戦・副将戦をきれいに相手に旗を上げられたので、ある意味ふっきれた。次の試合にいい形でバトンを渡したんだと思う。副将戦は0-5で宇和島東の勝利。
クロールの匂いが教室まで来てる 西川達郎
遠泳の波体内に残りけり 田中飛馬
とりあえず楽しんだ。たぶんそれに尽きると思う。いつもいらいらしながら勝負に挑んでいたけど、このときは自然とほっとしていた。的外れな意見も結構言ったけど、それぐらい必死だった。判定の待ち時間に、大街道のアーケードを眺めたけど、あんまり天気はよくなかった。大将戦は3-2で甲南の勝利。
その後、準決勝に臨んだ甲南は開成高校にストレート負けを喫するのだが、ぼくらが発言した際に宇和島東のひとたちが拍手や歓声を送ってくれたこと、ほんとうに嬉しかった。ありがとう。
# now playing ナナムジカ×のだめオーケストラ 「Sora」