2012年6月6日

初夏のボトルシップが空を向く

シンガポール人のアイラ(仮名)は同じ教育学のコースを取っている。彼女は三児の母で、子どもは全員20歳を超えている。新しい挑戦がしたい!ということで言語学の専攻をスタートしたそうだ。今は学部生で、スウェーデンで修士号まで取るつもりらしい。もとはエンジニアだったというから、大きな路線変更は、一大決心だったろう。旦那さんも快く応援してくれているとのこと。僕が「日本の大学で教育学修士号を取るのは、もしその後企業で就職したいと思ったときに不利になるからけっこうリスキーで、僕のやろうとしていることは、人と違うことなんだ。」と言うと「あなたは他の人が何を言おうと、あなたがやるべきだと思ったことをやればいいのよ!スティーブジョブスやビルゲイツを御覧なさい!彼らは人と違う道を信じつづけたから大成したのよ!」と喝を入れられた。おお、ジョブスとは大きく出たな。

スウェーデンは「リカレント(循環)教育」の発祥の地。人々は生涯を通じて教育の場に戻る権利を有するとみなす考え方である。その考えを地で行く人にスウェーデンで会えて非常に興味深かった。日本では、社会保障・労働環境・「世間の目」を始めとした様々な要因があり、仕事を辞めてまで大学で学ぶ人はなかなか少ない。

僕も、スウェーデンに一年も滞在するのだから、若い学生だけでなく多種多様な出会いを体験したい。チャンスは、意外と色んなところに転がっている。