2012年9月28日

コスモスの光を抜けて目覚めまで

目覚めて、はや沖縄三泊四日の旅程も最終日。外はまだまだ大荒れ。台風は通り過ぎたはずなのだけど、吹き返しでまだまだ風雨はやまない模様。飛行機は17時台、それまでには天候が回復してくれることを祈りつつ、昼まではホテルに借りたパソコンでメールチェックなど。

12時のチェックアウトのためにエレベーターに乗りこむと、エレベーターに「ホテル内のエステ、台風接近中により本日2割引」との張り紙が。2割引って結構安いよね…その下に書かれたコースメニューの料金から頭の中で2割引してみて、その金額なら出してもいいかも?と私の中の出納長がOKを出す。このあと、飛行機まで数時間、特にできることもないし、エステの施術を受けることにした。沖縄さいごのアクティビティだ。

とはいえ、実はほとんどエステの体験をしたことがない。お姉さんに言われるがままに、美味しいハーブティーを飲み、足湯をして、紙のパンツを履いて、裸にバスローブを着て寝っ転がる。はじめは、タッチがソフトすぎてあんまり気付かなかったけれど、いつの間にか眠っていて目覚めたときには、体の凝りがすごく楽になっていて、美容というよりも(美容にも効いたんだろうけど)疲労回復いちじるしかった。

施術が終わったあとは、黒糖しょうが茶なるものを出してもらい、しばらく受付のお姉さんとおしゃべりする。カルテを見ていたお姉さんから「国分寺にお住まいなんですね」と聞かれたので「はい、東京に住んでいたことがあったんですか?」と聞くと「実は、武蔵小金井出身なんです」と返事があって驚く。なんでも、昔から沖縄が好きで、ダイビングするために通いつめていたらしいのだが、ついに移住しようと思い立って、2年前から那覇に住んでいるとのこと。「来てみて、本当によかったですね」。

沖縄に来て、一番よかったことはなんですか、と聞くと「東京だと、隣の人の顔も知らないっていうじゃないですか。それでも、私の小さいころは、お隣と仲良くしたりしてたんですよね。でも、大人になって、やっぱり家に帰ってきても誰も知らないって環境になって。沖縄だと、アパートの大家さんとか、近くのおじいやおばあが、なんだかんだって、お惣菜をもってきてくれたり、こっちから何かお返ししたり。そういう、人とのつながりがいちばん嬉しいですね」。一番大変だったことも聞いてみると「やっぱり、今日みたいな台風ですね。沖縄の台風がこんなに大変だとは思いませんでした。今日も、停電や断水になってもいいように、家のお風呂にちゃんと水張ってきたんですよ」。

飛行機が無事にとぶといいですね、と笑顔で見送られながら、エステの一室をあとにしたのだった。