『花の雨』(角川マーケティング 2011年)より引いた。
「へん」をひらがなにすることによって、より句が滑稽に見えてくる。「へ」という字がだんだんと眉の形に見えてくるからなおさらだ。
毎日のように鏡に向かって化粧をするのに、眉毛を描く作業だけはまったくうまくならないから不思議だ。別にその他のパーツが上手なわけではないが、基本目等はぼかしたりしてごまかせるのに、眉毛はあまりごまかせるパーツではないからだろう。
眉毛を失敗しただけで、顔全体が失敗したような顔になり、化粧を落とした顔が一番変わるかどうかも、眉毛があるかないかが大きいと思う。やり直せばやり直すほど納得のいかなくなるものだし、泥沼にはまってしまい、遅刻するわけにはいかないので結局変な眉毛で出かける。
たしかに、眉毛は確かに描けばかくほどへんになるのだ。直すべきか、これ以上直らないとあきらめるべきか、作者は鏡を見つめる。そういえば、暑くなってきたな。真っ先に汗でとれるのも眉毛なんだよな。そう思うと、あきらめもつきやすい。眉毛がへんなのも、あきらめがいいのも夏のせいにして、これが戦闘態勢だといわんばかりの勢いで家を出るのだ。