春禽の飛ぶとき色を捨てにけり   中西夕紀

春の鳥は、明るくさえずり、色もやわらかなものが多い。
空の中で飛ぶ鳥は光となり、色がなくなってしまったように見えたのだろう。
脱ぎ捨てるように自分の色を残して飛び去る鳥を見上げながら、
ここにとどまっている自分も一歩踏み出して変わりたいと感じているのかもしれない。

「飛ぶ」(『都市 6月号』都市俳句会、2013)より。