じりじりと纏わりついてくるような短夜の暑さが、ナイフを曇らせる脂が意味する「命を食らう」という行為の業を、体感として突きつけてくる。「短」の一字が、そうして食いながらえる一生の短さをも示唆しているかのようだ。シンプルに書くことで、象徴性が宿った。同時発表の「クロールやロッカーの鍵手首に鳴り」といった句もスケッチとして魅力があるが、些事にとどまるところで掲句の迫力にはかなわない。これは相子さんに限らず、「澤」を読んでいると、しばしば感じること。
「麟」第45号(2013年7月)より。
じりじりと纏わりついてくるような短夜の暑さが、ナイフを曇らせる脂が意味する「命を食らう」という行為の業を、体感として突きつけてくる。「短」の一字が、そうして食いながらえる一生の短さをも示唆しているかのようだ。シンプルに書くことで、象徴性が宿った。同時発表の「クロールやロッカーの鍵手首に鳴り」といった句もスケッチとして魅力があるが、些事にとどまるところで掲句の迫力にはかなわない。これは相子さんに限らず、「澤」を読んでいると、しばしば感じること。
「麟」第45号(2013年7月)より。