観葉植物どこへ置いても春愁  森須蘭

観葉植物を置く場所がいまいち決まらない。決まらないから愁うのか、春愁いに悩まされているからどこへ置いてもぴったり来ない気がするのか。鶏が先か卵が先か状態、こうなったら春愁いが去るのを待つしかない。
春のピンク色のイメージの中で観葉植物の緑がさわやかに目を覚ましてくれるのが快い。そして、ガラスごしの日差しは受けつつも室内に閉じ込められる運命にある観葉植物に、どこか私との共通点を感じ取って、さらに愁いが募っているようでもある。

自由句会誌「祭演」45号(2013年7月)より。私も、招待席に10句寄稿している。