行列が曲る眼下の芒原  柿本多映

芒原があるような田舎での行列は、寺山修二の「田園に死す」を思い浮かべる。作者は行列の先頭にいなくて、半ばもしくは後ろの方で、ぼんやりと行列が曲がったことだけを認識し、意識もせずに行列についてゆく。芒原の広がりが、意識が中々行列に戻らないことを暗示しているように見える。

句集『仮生』(現代俳句協会 平成25年)より。