処世術・ビーチサンダル・あとは髭  谷雄介

会社の人たちと海辺でバーベキューでもしているようなシチュエーションを想像した。ふだん日常生活では剃っている髭も、休日となるとみんな適当に生やしている。髭を生やして、ビーチサンダルで、そんな場所にも処世術はある。「あとは髭」の適当さが、並列した部分で全体を表現してやろうという意気込みみたいなものをサッと払しょくしてくれるところも気分がいい。

櫂未知子・佐藤郁良を発行人とした俳句同人誌「群青」創刊号より。開成出身の若者を中心に40人ほどの同人がそれぞれ10句を発表している。雄介の作品は10句とも髭を詠んだ句。全体にまじめなトーンの雑誌だからなおさらなのか、髭10句の適度な悪ふざけ感が心地よかった。

あの夏の可憐な髭を追ひかけて
大空の虹薄れつつ髭育つ
かうもりのごとく髭のみ飛び去りぬ