冬の灯の前ひとり過ぎみんな過ぎ   阪西敦子

「冬の灯」は、あたりを照らすという役割だけではなく、
あたたかさを感じさせ、またそのことによって寒さを際立たせるような存在だ。
誰も立ち止まらないけれど、「冬の灯」は「冬の灯」としてただそこにある。
そんな「冬の灯」の前を通り過ぎるだけなのだが、そのことによって、
ひとりひとりがなにか関係を結び「みんな」となり同志になるような不思議さがある。

「ひらひら」(『クプラス 第1号』クプラスの会、2014.3)より。