友禅の匂袋は古りにけり  松瀬青々

ゆったりとした詠みぶり。「は」がいい。淡々とした感触と、匂袋に焦点を絞ることで、たとえば十年が一足飛びに過ぎてしまうような時間感覚が句に引き込まれる。友禅の生地で作られた匂袋、いいなあ。私も欲しいなあ。

『松瀬青々全句集別巻 青々歳時記』(茨木和生監修松瀬青々全句集編集委員会編 邑書林 2014年4月)より。この本によると青々は掛香の句を13句も作っている。