蟻ひとつ木槿の花の底歩く  中根美保

「底歩く」という深さ広さを感じさせる表現をとることで、小さな木槿の花の中が、蟻にとっては大きな一世界であるとわかる。私も、蟻になって木槿の底を歩いているような気分になる。花の香りが濃密。

第三句集『軒の灯』(ふらんす堂 2014年3月)より。