Tシャツを脱ぐときの動作を、丁寧に、それこそ視姦するようにねちっこく詠んだ。動画を撮るレンズの存在を感じる句だ。「交はす」「剥ぐ」「尖る」、それぞれ動詞が的確でしびれる。Tシャツを詠ませたら、猿丸の右に出るものはいない。
角川「俳句」2014年9月号より。ミニエッセイに何書いとんねん、というツッコミはさておき、こういうTシャツみたいなドライな句を書きつつ〈まばたきに消ゆる今あり夏の雲〉なんてロマンティックな句も同時発表するのだから、ニクい作者である。ドライな句まで、ツンデレのツンに見えてくるではないか。