月光は直線のまま水中へ 宇多喜代子

まっすぐにさす月光は、あたかも物質であるかのように、水中へ差し込まれる。月光と水が出会うみずみずしさ。このまま、土中も地球もまっすぐに突きぬけて、どこまでもさしこんでゆきそうな伸びやかさがある。シンプルに、無駄なものをすべてそぎ落とした句の姿に、純度の高さを感じる。

『宇多喜代子俳句集成』(角川書店 2014年8月)より。最新句をまとめた第七句集『円心』を頭に置き、過去六冊すべての句集を逆年代順におさめた一冊。