産む鮭も死にゆく鮭も泳ぐなり  山根真矢

生と死はいつも隣り合わせという発想はいささか陳腐ではあるものの、それでもそれらを隣り合わせにすると、力強さを感じる。なぜ鮭なのか。やはり水の流れに逆らい泳ぐその生命力は、他の魚よりも生命を語る上でふさわしいのではないだろうか。鮭が生死分かれるのはこれからで、泳いでいるのは今だ。「なり」で終わることで、その「今」に作者が強く気持ちを置いていることがわかる。

句集『折紙』(2014年6月 角川学芸出版)より