文弱の文旦かかへよろめきぬ  七田谷まりうす

「文弱」「文旦」といういずれも「文」ではじまる語をふたつ並べた楽しさが光る句。西瓜やメロンならとにかく、文旦をかかえてよろめくようなら、よっぽどの文弱である。しかし、さぞ立派な文旦なのだろう。

第四句集『通奏低音』(角川学芸出版 2014年9月)より。