将棋盤ふと暗くなる夕立かな  井出野浩貴

将棋盤を見つめて次の一手を熟考していたら、ふと将棋盤が暗くなった。なんだろうと思って目を上げると、いつの間にか黒い雲が立ち込め、さっと夕立が訪れた。なんでもない一場面だが、将棋盤に目を落としている視野に徹して詠むことで、臨場感が出た。

第一句集『驢馬つれて』(ふらんす堂 2014年9月)より。