牡蠣フライ一粒食べて復活す  岡田由季

牡蠣が好きなひとは、牡蠣という言葉を聞くと、ほぅ、と牡蠣のうまさに思いをはせる。生ガキもおいしいが、牡蠣フライが好きだ。噛んだ瞬間、じゅわりとあふれる牡蠣のエキスには、どれだけのパワーが詰まっているのだろうと思う。牡蠣ひとつでどれだけ人は動けるのだろうかというほど、味が濃厚だ。噛めば噛むほどじゅわじゅわとエキスが口を満たし、幸福感に包まれる。「復活」とすることで、キリストを連想し、高潔なイメージになるのも面白い。十二月は忘年会やらなにやら、忙しいし飲み会は多いしでぐったりするが、牡蠣フライを食べることで、今日のこの飲み会も、明日も頑張れる気がする。

儒艮JUGON9号より