元旦と思えば元旦のファスナー   池田澄子

〈初〉とつければ、大概が新年の季語になる。そういうものだ。
「元旦」は普通の日だけれど普通の日ではない。
今日は「元旦」と思うからこそ特別な日となるのである。
その気分は普通の「ファスナー」も「元旦のファスナー」にしてしまう。
そして、「ファスナー」を開くように1年がはじまってゆくのだ。

「普通の空気」(『俳句 1月号』KADOKAWA、2014.12)より。