シンプルに「お正月」と取り合わせることで、めでたさの中にもはっきりカバが際立つ。
「水脱ぎ」というフレーズも詩的であるし、「丘になる」という見立ても面白い。
「河馬」の水を弾く肌や、大きくあたたかな体が見えてくるようだ。
カバ好きで知られる作者は、誌中で《「人間の思うようには姿を見せてくれない。そんな無愛想なところが好きなんです」》と語っているが、
彼の描くカバは、実に親しげで愛くるしい。
カバに寄り添うことで、自身が人間を超え、思う姿が見られるようになるのかもしれない。
「冬の河馬」(『俳句 1月号』KADOKAWA、2014.12)より。