稲妻や魚衰へて水底へ 安里琉太

かつて水面を跳ね上がり、波や急流に挑んだこともあったが、衰えた今となっては水底でひっそりと、そのときを待つばかり。稲妻のひかりは、水底で息をしている魚まで、届くだろうか。
劇的な死ではなく、緩慢な衰えを詠んだところに、抒情よりリアリズムが滲む。そこが現代、と言うことはできるか。

「銀化」2014年12月号より。