雪の夜の背にマグマある深眠り  正木ゆう子

雪のふる夜は、どの天候よりもこの世界に静寂をもたらしてくれる。そんな日は、眠りもいつもより深くなるような気がする。私は眠りとは、深い処に仰向けのまま落ちていく感覚にとてもよく似ていると思う。赤ちゃんの中には、眠ると死んでしまう気がして寝られない子がいると聞いたことがあるが、落ちていく間隔のことを言っているのであれば、とても共感できる。その先に何があるのかわからず私はただ闇に落ちていくのだが、現実的には、マグマがあり、核があるのだろう。現実と感覚が点でつながる、その点にいるような不思議さがある。外はとても寒いはずなのに、地球の深いところでは燃えたぎっているのだ。そのギャップも面白い。

『俳句 2015年2月号』(角川学芸出版)より。