手をつなぐ力ほどけり春の虹  大類つとむ

春の虹のふっくらとしたゆるやかな張り方を、手をつなぐ力、つまり互いの手と手が引き合う柔らかな力の具合で言い表した。手がふっとほどけたそのとき、虹の光もまた、ぼんやりと薄れてゆく。てのひらに残る互いの体温が消えるはやさで、虹は消えるのだろう。

「現代俳句」2015年3月号、特別作品10句「春ともし」より。