草朧うずらのたまごいろの星  神野紗希

春の夜。割と丈の高い草と、空に散らばる星。
「うずらのたまご」というと、あの特徴的な殻を思い浮かべる。黄色がかった白色に、黒の斑点が目立つ、あの殻だ。「うずらのたまごいろの星」とは、そのような、鋭い光を放たず、卵のあたたかさをも感じさせる、やわらかく光る星なのだろう。春の朧、あたたかい夜だ。

また、この句、「草」と「うずら」が並べられていることで、草の中に産み落とされたうずらの卵までも想像させる。そのため、「うずらたまごいろの星」を無理なく読者に提示できているのだろう。

実景とは別に、全く関係ない景が存在し、その景が実景の成立を助けている。前回の句もすこしだけそんな感じがあって、ただただ驚かされる。