夏山やをみなもすなる喇叭飲み   うまきいつこ

紀貫之の『土佐日記』の冒頭、
〈男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。〉を踏まえたもの。
何気ない景だからこそ、この大仰な物言いが活きて楽しい。
「喇叭飲み」は男がするものだというイメージが強いからこそ成り立つ訳だが、
〈日記〉のように、もはや「喇叭飲み」も男女の差はなくなってきているだろう。
「夏山」が爽やかで、飲み物も美味しそうで、気持ちが良い句。

『帆を張れり』(邑書林、2006)より。