アメリカンチェリー山盛りでも淋し   星野高士

よくある作句のセオリーに、感情をそのまま言わずに表現すべし、というのがあるが、
掲句はあえての「淋し」。
「アメリカンチェリー山盛り」という明るい響きとは裏腹に、
暗く深い赤や、つくりもののような光が、迫ってくる。

「入口」(『俳句 8月号』角川文化振興財団、2015)より。