「遠き」は冬晴を捉える感覚でもあり、家族と自分との距離感でもあるだろう。冬晴のように、良人であり、父である、その不確かさと、遥けさ。「たり」と断定しようとするほどに、遠くなる実感。
小川軽舟『俳句日記2014 掌をかざす』(ふらんす堂 2015年10月)は、2014年に一年間、毎日ふらんす堂のHPで掲載された短文と俳句の連載を一冊にまとめた、日記形式の句集だ。俳句もさることながら、添えられた文章との距離感が絶妙でいい。今日の句は、まさに一年前の今日、十一月十八日(火)の項から引いた。添えられた文章は次。
良人と書いて「おっと」と読む。なぜなのだろう。昔も今も悪い夫だっているだろうに。
ええっ、そういう軽舟さんは良い夫なの、悪い夫なの?
とキャッキャと言いたくなるかんじ。作者が上手にとぼけているのだ。