檀れいの金麦のCMみたいな句だ。
「主婦」が「主夫」なら、今度は西島秀俊のパナソニックのCMみたいな句になる。
スーパーで新じゃがや新たまねぎが出た、そんな些細なことでも「どんなお料理にしようかしら」などと楽しめる主婦って素敵だね、という句である。主婦を羨ましがっているようでもあるし、見様によっては主婦はたわいのないことで楽しめていいね(男は大変だぜ、やれやれ)、とも読める。
男性から女性へ向けられた理想含みの視線は肯えないが、この句は「新」を重ねたリズムの楽しさが「主婦たのし」の楽しさにすらりと乗っていくところに、俳句の韻文としての楽しさがある。
あらやだ、主婦だってタイヘンなのよ、と微笑みながら新玉葱のサラダを食卓に差し出すことができたら、私も、もう少し「可愛げがある女」になれるのかもしれないけれど。
「俳句」2015年12月号、特別作品21句「蟄居春秋」より。