くちびるに歌のもどりし合格子  大木明子

不安だった受験期には、歌を忘れていた子も、合格が決まってホッとして、好きな歌をくちずさんだりしている。心のゆるんだ解放感を「くちびるに歌のもどりし」と焦点をしぼってまとめた。季語「合格子」がいきいきしている。明るい春になりそうだ。

大木明子『休日』(ふらんす堂 2016年1月)より。