月光に濡れつつ力士みな帰る  青木ともじ

「月光」の白さと「濡れ」のしっとり感が、力士の肌の質感を美しく思わせる。
「みな」は、勝った力士も、負けた力士も、か。

そういえば、相撲も秋の季語だった。月光に「みな帰る」静けさが、神事としての相撲の敬虔さを思い出させたりもして。

「群青」2015年12月号より。