休日の時間ひろびろ木の実降る  兼城雄

「時間」という四次元を、「ひろびろ」という三次元的な把握で切り出した。これもある種の共感覚的な表現といえるだろうか。
ふだんは目の前のことに精一杯で、遠まなざしをする余裕もないが、休日にはゆっくり世界を見渡すことができる。その視野の広さの感覚が「休日の時間ひろびろ」なのだろう。その視野に、音たてて木の実が降る嬉しさよ。

「鷹」2016年2月号より。