手花火の終はれる闇の白さかな   野口る理

 手花火だから、この闇の位置は少し見下ろすくらいの位置にある。「闇」と「白さ」は、相反する色彩だが、この句の場合、コントラストとして「闇」と「白さ」があるのではなく、「闇の白さ」という認識をやはり行っているように思う。
因みに、類似した風景が、2か月前の作品の《手花火にバケツの熱き暗さかな》(スピカ「あぢさゐ」2015-7)にある。こちらは、「熱き暗さ」であって、「闇の白さ」の句とは対照的に、認識が言い換えられている。

(スピカ「葡萄」2015-9)より。