身に沁むる動物羅列すれば歌   野口る理

ケネス・ジョゼフ・アルフォード作曲の行進曲「ボギー大佐」の替え歌とも知らずに、そのメロディーに合わせて「サル、ゴリラ、チンパンジー♪」と口ずさんでしまう。起源を知らずとも、深く体に染み入っている。
この言葉の並び方は、《アネモネや動物病院あれば街》(『しやりり』ふらんす堂、2013-12)を思い出す。「動物羅列すれば歌」も「動物病院あれば街」も、認識の一つの条件を言っている。

(スピカ「凩」2015-11)より。