「凩」 野口る理

『凩』 野口る理

ハンブルグステーキ秋のくろがねに
木犀や手は器にも刀にも
火の上にりんごが煮える真実味
まぶしく見送られ指先に凩
朝寒や二番ホームにおだしの香
冬近き中央線の遅延かな
身に沁むる動物羅列すれば歌

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