八月の指笛にある翼かな   山本夏希

〈指笛〉を吹くときの手のかたちをよく見ている。
口元にある手の甲や使わない指の添えた感じに〈翼〉を見たのだ。
元々は、遠くにいる仲間に危険を知らせるためのものであろうが、
沖縄の音楽や祭には欠かせないものでもある。「ピューイ!」と吹くさまはかっこいい。
ただ楽しい夏休みというだけではない歴史もある〈八月〉という季語のバランスが絶妙である。

「何度も空を」(『a la carte vol.1』琉球大学俳句研究会、2016.3)より。