猿の子が芋喰ふ様の賢さよ  松瀬靑々

うまいこと手を使って芋を食べている猿の子どもを見て、「賢さよ」と褒めた。しかし、その褒めが、はねかえって、人間の賢さの程度を照射するところに、諧謔がある。しかし、まあ、猿の子が、かわいい、という、とりあえずはそういう句です。

先日発行された『松瀬靑々全句集 上巻』(松瀬靑々全句集編集委員会編・邑書林 2011年10月)より。全句集が編まれて、私も靑々の句業にあらためてあたることができる。