抱へたる薔薇の花束誰も見る  大迫弘昭

道行く人が振り返る。
私の抱えている薔薇の花束が、見事だからだ。
見られる恍惚と、薔薇の花束を抱く昂揚感と。

『恋恋』(2011年9月、ふらんす堂)より。
その名のとおり、恋愛をテーマにした句集だ。
ほぼすべての句が、恋や性愛の場面を描いている。
以下、酔いから覚めたシラフのような句に魅力を感じた。

螢ごと攫つてなんてめんどくさ
冷し中華普通に旨しまだ純情
栗鼠と汝と胡桃欲しがる方にやろ