朴の葉の落ちをり朴の木はいづこ   星野立子

朴の葉が落ちている道を歩いているのだろうか。
大きな葉は、冷たい風に吹かれてすこしひらひらしている。
こんなに葉っぱが落ちているのなら、木はどこにあるのだろうと、
きょろきょろと辺りを見回す姿が可愛らしく実感がある。
また、その心の動きを一句に仕立てている素直な言葉たちに無駄がなく気持ち良い。

山田みづえ『鑑賞秀句100選 星野立子』(牧羊社、1994)より。