古毛布ともいくつ惑星を旅し  青山茂根

『惑星力』(詩客 2012年12月2日)より。

宇宙を気軽に旅することは、今はまだフィクションだ。けれども、その遠い世界のものが、古毛布というものにより、一気に身近に感じる。
想像を張り巡らす。宇宙は暖かいのだろうか、寒いのだろうか。やはり、寒いところが多いのではないだろうか。幾度この毛布にくるまり、過ごしただろうか。毛布は匂いが染み込みやすい。毛布を口元までかぶる度、今までの旅を思うのだ。
少しの郷愁とこれからの希望を抱いて、この句はまだ旅の途中なのだと思う。