「金りんりんと」がいい。りんりんと鳴り出すんじゃないかと思うほど、金色が輝いている。「木枯」によって見えてくるのは、枯木たち。紅葉が終わり、周囲の色が失せたからこそ、金閣寺の金色の存在感が強くなる。
「俳壇」(本阿弥書店)2011年12月、「冬の風物を詠む100句」より。
10人の俳人が、「木枯」「炬燵」「河豚」などの冬の季語で、一人計10句つくっている。
そのほか、気になった句。
木枯の息のこもれる鸚鵡貝 鈴木太郎
散らばつて木枯童子みなゑがほ 高柳克弘
狐火を見し分校も草の中 小島健
狐火や合せ鏡の奥に人 土肥あき子