剪定のさむき日向を落ちにけり   金田咲子

落ちたのは、庭師ではなく、切られた枝だろうか。
はらりはらりと、時にはどさりと、落ちていく枝や葉を見ているという時間。
スローモーションのように、そして、陽射しがスポットライトのように感じられる。
「さむき日向」という言葉がとても静かで、遠い。

「『全身』以後」(『現代俳句ニューウェイブ』立風書房、1990)より。