かほよぎるときおほきかり春の雪  杉山久子

雪はまつ毛にも積もるし、雨と違って空から降りてくる最中も存在感がある。降る雪を詠んだ句もとても多い。
ひらがなが続くことで、この雪はゆっくり降る雪だったように思える。「わ」と思いながらも、落ち着いて雪を眺めている情景が思い浮かぶ。
句集『鳥と歩く』(ふらんす堂 2010年)より。