赤黄男の生まれた町に来た!

3月4日(日)は、富沢赤黄男顕彰俳句大会に参加するため、八幡浜は保内町へ。ここは、富沢赤黄男のふるさとなのだ。

市役所前にはこんな掲示が。英傑らしい。

案内された楽屋には、素敵なチューリップが飾ってある。心遣いがうれしい。兼題句・当日句の選句発表のほか、赤黄男についての講演を70分ほどさせてもらった。タイトルは「となりの赤黄男」。となりのトトロを意識してみたが、たぶん誰も気づいてくれないだろう。結論は「富沢赤黄男は、〈俳句とは何か〉という答えを安易に出さなかった、だからこそ、どんどん新しい世界をひらいていった。いまの時代に、赤黄男が教えてくれるのは、〈俳句とは何か〉問い続けることだ」。ちょっとわかりにくい結論かな…と思っていたのだが、みなさんしたたかにうなずいてくださっていたのがうれしかった。紹介させてもらった赤黄男の俳句に、感じるものがあったということなのだろう。

大会が終わってから、父母と合流。富沢赤黄男の生誕地周辺を、少しぶらぶら歩く。

ここが、赤黄男の生家の前の道。当時とあまり変わっていないらしい。数件先には、明治創業の味噌醤油会社が。

生家(いまは生家はなく、別の人が住んでいる)の裏は、すぐ山。まさに裏山。みかんが植えられている。

青い蜜柑のにほひと白雲のにほひ  赤黄男

こんなモダンレトロな建物も。木造だけど西洋風に見せているという、ちょっとユニークなもの。これも、当時からあったようだ。

生家から海へ向かう道。まさに、人が暮らしてきた歴史を感じる町並み。写真は父。

こんな野原にも出会う。水仙が咲いていた。山なりに段々畑。

保内主婦の店。ここいらは「保内」という地名。

青石の石段。このへんは、良質な青石が採れることで有名で、町のあちこちに青石の石段や護岸が組まれている。赤黄男が句集に収録した俳句の三分の二以上は、色彩語(赤とか青とか黄とか)が含まれている。その名も「赤黄男」だから、まさに彼は、色彩の俳人だといえる。なんともない路地の風景、青石に映える草萌の緑や野の花の黄を見つめていると、彼は、色彩というものの力をむかしから知っていたのだろうと思った。

ちょっと歩くと、すぐ海。保内は海抜1Mだという。津波で逃げるための、山への石段も、いくつも作られていた。

海は闇 くろい鴎を盗んでもどる   赤黄男

街並みにあわせたのか、面白いカーブミラー。撮る私、父、母、そして川が映り込む。

すぐ海、という美名瀬川には、両側に家が。ここでも護岸に青石が使われている。矢羽組が面白い。松山市内から、高速道路を使って、片道一時間半と案外近い。松山に旅行する予定があれば、ぜひ二泊三日にして、南予や東予など、松山以外の場所にも足をのばしてほしい。

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●ウェブマガジン「詩客」で、作品10句、発表させてもらってます。

千年後の渋谷  神野紗希

動物の句を10句、つくってみました。

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●3月29日(木)、新宿御苑で吟行をします。

新宿御苑で吟行をたのしもう!NHK学園新宿教室チラシ(二枚目左下あたり)

3月29日(木)

10:30 新宿御苑集合~昼食~句会 終了は15:30

吟行ははじめてだという人も安心してご参加ください。お問い合わせは、NHK学園新宿 TEL:03-5322-6564 まで。

●4月から、杉並詩歌館(荻窪駅)で、句会を始めます。

杉並区の「はじめての俳句」講座(この三月まで半年間開講)に参加されたみなさんが、自主的に句会を継続しようということで、続けて指導させていただくことになりました。会の名前は「さきの会」。ちょっと照れますが、わかりやすいというのはいいことですね!(照)

「さきの会」

毎月 第一金曜日 9:30~12:00(9:30投句締切) 5句まで投句可

入会金 2000円(入会時のみ)

月謝 一回1500円

体験は無料(一回のみ)

興味のある方、お問い合わせは、渡部さん 03-3392-3922 まで。