最近会社で『マツケンマハラジャ』が流行ってます、あの男前のマツケンさんが手を合わせて、マツケンマツケ~ン♪とやるところが特に良い、あの面白さはいったいなんなんだろう、と今日も熱くて長い朝シャワーを垂れ流しながら考えていました。僕のシャワーは異常に長く、考え事はだいたいシャワーを浴びながらしてます。ジャー、う~ん、マツケンマツケンマツケ~ン♪、タハッ、やっぱり面白い、うーん、なんなんだろう、ジャー、うーん、…猪木?ん?猪木…、ダァッ!!あ、うんうん、つげ義春?一木ひろし(物まねの人)、清水アキラ?ん?川柳川柳師匠(落語)?ぶつぶつぶつ…
僕はリアルにシャワーを浴びながらぶつぶつ言います、色々とね、考えるところがあるんでしょ…。
で、ぼんや~り僕の好きなものだけを思い浮かべていたら、あ、そうか、本気だから面白いのかぁ、と言う事が大事なのかなと思いました、マツケンが本気でマツケンマツケンマツケ~ン♪とやる事が面白いのであって、マツケンが世間にウケようと思ってしまうとマツケンマハラジャの面白さは消えてしまうでしょう。虚子は月並の事を「平凡」とは言わずに、「嫌味のある句」と言いました(水竹居の虚子俳話にあるよ)、なんで京童さんの俳句は面白くなさそうに見えてもクスクス面白いのか、これがねぇ、意外と大事な事なんじゃないかなとドライヤーで髪を乾かしながら考えてるところです。「マツケンマハラジャと虚子」で誰か書けば良いのになぁ…、え?僕?うーん、えと、久留島くん、君書きなよ、え?嫌?ゆーむ書きたまえよ、え、嫌?関さん…、どうすか?あ、やっぱ嫌ですか?
じゃあ、いつかあつこ姉さんに書いていただこう、という事で京童さんを読みますよー。
畔川に男の子春田に女の子かな
春田に女の子~♪ゴーゴー♪(郷ひろみ風に)
聞え来てたしかに鳴ける雲雀かな
ほんとなんだって!
芦の角怪しき虫ののぼり来る
嫌でしょ?「あ、服に怪しき虫がぁ怪しき虫がついとるよー!」とか言われても
敷かれたる茣座の間のげんげかな
うふふと花鳥を愛する京童さんは可愛い
ふれてゆく沈丁のよくかほること
ね?京童さんどんどんコツみたいな物を掴んで行く様子が「京童句集」で伝わるんですよ、ふれてゆくがやわらか。
女ゐて見えぬ茶摘みと話しをり
気になって仕方ない
藤棚の奥深くある障子かな
これまた気になって仕方ない
憩ひよる柳蔭あり菖蒲園
憩ひよるぞよ
春蝉の鳴き出したる茶山かな
春蝉が明るい
下りてゆく階ひろき薔薇園
色々立派
梅雨茸に穴をあけけりなめくじり
「あけけりなめくじり」をじっと見てるとなめくじに見えません、なんか長いやつに
簗かけてすこし泳いで戻りけり
ちょいとね、楽しそう
釣堀に烏賊あらはれて烏賊泳ぎ
!!?出た、出ました面白い俳句が、京童ファンのみなさんお待たせしました(僕はそうだぜ)、これどうですか、麒麟推しです、うまくいった時のつげ義春の漫画ぐらい馬鹿らしくて面白い、烏賊あらはれて烏賊泳ぎって、これね烏賊じゃないと駄目、あの細くて変な形の烏賊じゃないと駄目です。
茣座の上に蜥蜴のあそぶ茶店かな
小さくてゴソゴソ動き回りそうなとこが良い
泳ぎ場の柱にかかる鏡かな
ちょっとムキってやってみたりして
睡蓮の花に浮べて舟よかり
舟よかりとは舟がよかり
縁に座し柱に立ちて蓮を見る
色々見たよ
烏来鳶来て盗む干鰯
馬鹿らしい、ひどい、面白い、たまらんは僕の中ではほとんど近い場所にあって、それらを味わいたいな
秋灯や少し黄色の支那料理
少し黄色とはよく言いました、中華食べるたびに思い出しましょう、秋灯が不思議に響いてます。
どうですか?今週あたりから少し京童さんが化けてきましたね、来週はやっとあの連作をみんなに伝える事ができそう、お楽しみに、あぁやっと烏賊泳ぎまでこれて嬉しいなぁ。
じゃ、ばーい