春昼や手足蔓めく共寝して  高山れおな

赤面句だ。きゃー、ごちそうさま!と両手で顔を覆ってしまう。
春昼の眠りはとても気持ちのよいものだ。この時間ができるだけ続けばいいのにと思うほど、心地が良い。そんな中、一緒に寝る人がいて、互いに蔓のように手足を絡めているというのは、あまりに甘すぎて、逆に春じゃなくてもいいんじゃないかと思うが、手足が絡んでいる中でも眠りの誘惑に勝てずにいるのであれば、それは春だからとしか言いようがないのだ。

句集『ウルトラ』(沖積舎 平成20年)より。