ボールペンよく滑る日や小鳥来る  林昭太郎

働くまで、油性のペンはどうにも苦手でいつも水性ペンばかりつかっていた。ひっかかったりインクが突然出たりでなかったり。でも油性を使わなければならない機会が増えて、最近はそうでもなくなった。その中でもやはりインクの出が悪い日があったりする。秋は空気が澄んでなんとなく油性ペンのインクの出がよい気がする。あ、今日は出がいいな。なんてぼんやりもほっとしたりして、一日のやる気が出てくる。

句集『あまねく』(ふらんす堂 2012年)より。