放哉のごとく落葉を掃いてをり   涼野海音

「放哉」とは、自由律俳句の代表的俳人、尾崎放哉のことである。
放哉のようになにかをする、というときの、なにかとしての、落葉を掃くこと。
寺男であった放哉の姿を思い浮かべているのだろうか。
句に流れる放哉への憧れと、静かなナルシシズムが、心地よく響いている。

ちなみに、放哉の落葉の句は、
落葉へらへら顔をゆがめて笑ふ事
落葉掃き居る人の後ろの往来を知らず
屋根の落葉をはきおろす事を考へてゐる
寒さころがる落葉が水ぎはでとまつた
はらりと落葉つながれた猿が見てゐる   など。

「新報俳壇 今月の一句」(『子規新報 159』創風社、2013.1)より。