最近は鶯笛で口説くなり   西村麒麟

「鶯笛」とは、鶯の鳴き声に似た音の出る竹細工の玩具。
きっと昔は、口説き方もいろいろ格好つけて無理していたけれども、「最近」は、鶯笛を使うのだ。
笛をピロピロ吹いて得意になっている人と、そんな人を微笑ましく見つめる人。
このくつろいだ気持ちは、はるか昔から、そしてこれからも、ずっと続くものだと感じている。

鶯笛」(「週刊俳句 第259号」2012)より。